dinntecoは、「落雷現象を発生させない」電荷中和型避雷針の技術を世界で最初に開発したINT.A.R社から権利譲渡を受け、2013年よりdinnteco製品の販売を行っています。現在は世界37カ国以上で販売され、ケンタッキー国際空港、NATO軍施設、パナマ運河等の巨大建造物をはじめ、スペイン国家気象庁、通信系大手クライアントなど、多数の施設に採用されています。
従来の避雷針が雷を「誘導して落とす」仕組みであったのに対して、dinnteco避雷針は、落雷現象を「発生させない」性能を持った新型避雷針です。
電子機器・電気設備への依存度が非常に高い現代社会において、従来型避雷針では避けられない大きな問題である「直撃雷サージ(=雷を避雷針に落とすことによって生じる大電流が電子機器や電気設備を破損させる)被害」を解決します。
発売から20年を数え、今は世界中37カ国で導入され、NATO軍施設から一戸建てまで、人々の暮らしとビジネスを雷の脅威から保護しています。
「dinnteco」避雷針は、接地面と接続された製品の下部はプラス電荷となり、上部は製品周囲の大気中からマイナス電荷を収集し、製品内において中和し続けるはたらきをしています。
このはたらきを繰り返すことで、周囲の電界に影響を与え、接地面からのプラス電荷は上昇せず製品に集められるため、雷雲のマイナス電荷との結びつき(落雷現象)が抑えられます。
雷のメカニズムは今日も多くの研究がなされており、まだ解明されていない部分も多々あります。dinntecoでは、マドリード・コンプルテンセ大学およびINTA(スペイン国立航空宇宙技術研究所)との共同研究、 フランス・ポー大学実験室での落雷実験、世界での長期的(19年以上)実証実験結果の衛生観測および分析、また日本国内でも冬季雷の被害の大きい北陸地方や、工業施設の多く集まる港湾などで実証実験を行い、 より正しい知見をもたらすことで、世界の雷被害の軽減に寄与することを目指しています。
1
地面が帯びているプラス電荷を製品下部に集めます。
2
製品周辺の大気中からマイナス電荷を本体上部に集めます。
3
マイナス電荷が一定量貯ま ると、本体内部を通過し地面に流れます。
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この繰り返しにより、周囲の電界に影響を与え、落雷現象の発生を抑制します。
本製品は2008年、公的機関の定める規格に適合していることを試験・認証する機関「ビューローベリタス」の試験をクリアし、電気・電子技術分野の国際基準であるIEC規格(※1)、およびISOへの適合認証(※2)を受けています。
※1 ES036861/UNE-EN(IEC 62305:2011 雷に対する保護)
※2 ISO9001:2008(品質マネジメントシステム)
JIS | 制定 | 名称 | 対応IEC | 条文抜き出し |
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JIS A 4201 1992 | 1992 | 建築物等の避雷設備(避雷針) | 対応IECなし ※旧JISはIEC制定以前の日本独自の規格 | |
JIS A 4201 2003 | 2003 | 建築物等の雷保護 | 61024-1 | IEC61024-1を翻訳し、技術的内容を変更して作 成した日本工業規格である |
JIS Z 9290 – 1 | 2014 | 雷保護ー第1部: 一般原則 | 62305-1 | IEC62305-1を基に技術的内容及び構成を変更す ることなく作成した日本工業規格である |
JIS Z 9290 – 3 | 2014 | 雷保護ー第3部: 建築物等への物的損傷及び人命の危険 | 62305-3 | IEC62305-3を基に技術的内容を変更して作成し た日本工業規格である |
JIS Z 9290 – 4 | 2016 | 雷保護ー第4部: 建築物等内の電気及び電子システム | 62305-4 | IEC62305-4を基に技術的内容及び構成を変更す ることなく作成した日本工業規格である |
「dinnteco」避雷針はNATOカタログ(軍装備品リスト)への掲載をはじめ、日本および海外で、各種特許、規格適合認証を受けています。落雷対策の現場で必要とされる安全性能を満たし、リスクを最小限に低減します。
格付けジャパンフォーラムにて国土強靭化におけるプレミアム認証製品として避雷針部門の「トップランナー認証」を授与されました。
dinnteco製品は「変動電界均衡装置」として特許を取得しました。(第6342869号)同製品の特許は、世界30カ国(※)でも取得されています。※INT.A.R社時代に取得したものも含みます。
NATO軍の装備品リストであるNATOカタログにdinnteco-100plusが掲載されました。万全の雷対策が必要とされる、NATO加盟国の軍施設にdinntecoは多数導入されています。
ヨーロッパ発の国際基準であるIEC規格に次いで、アメリカの機能・安全性規格基準UL規格(UL96:雷保護システムの設置要件)への適合も2018年8月20日に認められました。
EU規格CEマーキングにも準拠。製品の安全性と電磁両立性の作業制限に準拠しています。
設計は、dinnteco japanが現地調査の結果をふまえ、20m以上の建物や危険物の貯蔵庫など法規に基づいた設計が必要な場合は通常のJIS規格の設計をし、それ以外の場合はdinnteco独自の設計(r=200)にて設計いたします。(※実証実験の結果を踏まえた参考値です。)
※下図はイメージです。建物の形状や周辺の立地により、実際の保護範囲は異なる場合があります。
・・・回転球体法でいうR=200mの球のイメージ(架空の球体)
・・・dinnteco-100plusの保護範囲
設計は、dinnteco japanが現地調査の結果をふまえ行います。
20m以上の建物や危険物の貯蔵庫など法規に基づいた設計が必要な場合は通常のJIS規格の設計をし、それ以外の場合はdinnteco独自の設計(r=200)にて設計いたします。(※実証実験の結果を踏まえた参考値です。)
dinnteco-100plusと従来型の避雷針(フランクリンロッド)の技術的な特徴について以下の比較表にまとめています。
dinnteco-100plusには、補助的機能として電磁防護機能があります。これは従来の避雷針システムにはないものです。雷を原因とする、強力な電磁波や電磁界から防護することができます。電界内の電磁エネルギーを消散させたり、電界内の様々な周波数の電磁パルスやエネルギーを効果的に減衰させます。
また、dinnteco-100Plus は EN 規格(欧州規格)で電磁適合性(CE EMC 2004/108/EC)が証明されています。 電磁適合性とは、自身の電磁妨害波が他のどんな電子機器に対しても影響を与えず、また自身が電磁妨害を受けても満足に動作することを言います。互いの電子機器に影響を及ぼすことがありません。事実 10 年以上、海外の通信タワーにてdinnteco-100plusが使用されていることから、まさにこの電磁適合性が証明されていると言えます。
dinnteco-50plus(ディンテコ 50 プラス)はフラッグシップモデルdinnteco-100plusに比べて保護範囲がコンパクトで、その分軽量・省スペースであることが特徴です。防災無線や監視カメラ、鉄道架線、小型船舶など、ピンポイントな範囲の保護に適します。
dinnteco-50plusは、保護範囲内において、接地面からプラス電荷を、大気中からマイナス電荷を収集し、中和し続ける働きをすることにより、周囲の電界に影響を与えて落雷現象の発生を抑制します。保護範囲は、保護各法を用いた設計により、基準面(※1)からdinnteco本体までの高さに応じて決まります。なお、建築基準法(20m以上の高さの建物)や消防法に係る物件では、JIS規格に準拠した保護範囲の算定及び設計を行います。
※保護範囲算定に必要な高さ及び基準面は、設置する物件や、落雷保険の要否によって異なります。